たとえ話:ある主婦に降りかかった問題

ある、ご自分の“旦那様”を心から愛している人の考えが僕と面白いぐらい正反対だったのでちょっと短文を書くよ。

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私は夫が大好きです。
私は彼と親しくなった日から彼にぞっこんになり、やがてめでたく結婚しました。
結婚してからもう6年目になりますが、私は彼とラブラブです。


夫は某大企業のエリートサラリーマンです。
数年前から仕事がどんどん成功するようになり、彼は能力をさらに評価され、いろいろと知り合いも増えました。
ある日そんな夫が「友人に能力を見込まれたので、友人のベンチャー企業に転職する」と言い出しました。
当然私は反対しています。
今までの仕事を今までのようにやっていなければ、そんなものは私の夫ではありません。
それに、聞いた話では、そのベンチャー企業の評判はあまり芳しくなく、年収も大企業の30%に過ぎないというではありませんか。
「世帯収入を今までと同じにしたければ、奥さんもパートか何かで稼げばいいんじゃないか」などとよく言われますが、私の言いたいのはそういうことではありません。
都心のオフィスで、ブランドもののスーツに身を包み、良い上司と良い部下に恵まれて、大プロジェクトを仕切りそして成功させている姿こそが私の夫なのです。
こ汚い作業服姿と狭苦しい作業場で、あわただしく動きながら時に不慣れな仕事を苦しんでやっている人間が私の夫であること、そしてそれが知り合い関係などの周囲に知られてしまうことことが問題なのです。
私は出会ったときの夫、エリートの夫が好きなのですから、それを突然がらりと変えられて黙っていられるはずがありません。


私は本当に夫がそんな姿になってしまったら、離婚しようと考えています。
離婚して、エリートで輝いていた頃の夫のことを、ずっと愛し続けようと思っています。

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オチ?ねえよ。